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将棋の「歩兵」の裏の字は「と」ではなく、
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柏書房「くずし解読字典」から抜き出した「金」の草書です。 |
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「 金」の「ひとやね」の部分は草書では左のような形になります。「金」の中身を一つの点に省略しているというのでしょうか。この「やね」の下に「、」をひとつ打てば「と」と読めなくもありません。でもそれは「今」という字の草書と同じ字体です。 |
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柏書房「くずし解読字典」から抜き出した「今」の草書です。「金」の略体とされるものが左の「今」の草書とかなり似ていたのは容易に想像できます。これがいつのころからか「と」と誤ったのだと思われます。 |
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では、いつごろから「金」を「と」と誤ったのかインターネットで調べてみました。 「歩兵」の裏は「と」ではなく、「今」の草書だった? 増川宏一著『将棋の駒はなぜ40枚か』集英社新書 68ページ から引用します。 ――「歩兵」の駒の裏は、一見すると「と」(「止」の崩し字)のように思えるが「今」の崩し字である。中世以来近世も、発音が同じであれば当て字を用いたり同様の字として使用されてきた。 つまり、「金(きん)」の当て字として音の同じ「今(きん)」が使われていたというのです。万葉仮名的な用法ですね。これには感動しました。 |
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「今」がいつから草書になったのか。原字の書かれた時期がはっきりしませんが、下の表にまとめてみました。 資料提供:増山雅人(酔棋)さん |
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